では、2022年版小規模企業白書ではどのような内容が記載されているのでしょうか。ここでは2022年版小規模企業白書の構成に沿ってその概要をみていきましょう。
第1部では2021年度の小規模事業者の動向について各種統計データ等に基づきまとめています。第2部では、「新たな時代へ向けた事業の見直しと地域内連携」というタイトルで分析を行っています。
第1章では、「小規模事業者の事業見直し」というテーマで小規模事業者が感染症流行後に取り組んだ事業の見直しについて分析を行っています。その中で、小規模事業者は積極的に事業見直しに取り組んでいるものの事業見直し時に様々な課題に直面していることや、事業見直しにおける支援機関の役割の重要性を指摘しています。
第2章では、「地域課題の解決と地域内連携」というテーマで、事業者と支援機関それぞれに実施したアンケート調査の結果に基づき、地域課題解決に向けた取組を行う小規模事業者の収益性や、他の事業者や支援機関との連携に着目した分析を行っています。その中で、地域課題の解決に向けて他の事業者との協業を行う小規模事業者における支援機関のネットワーク・ノウハウを活用することの重要性を指摘しています。
第3章では、「共通基盤としての取引適正化とデジタル化、経営力再構築伴走支援」というテーマで、取引適正化と企業間取引、小規模事業者におけるデジタル化とデータ利活用、経営力再構築伴走支援などの支援の在り方などについて分析を行っています。
このように、2022年版小規模企業白書では、とくに小規模事業者の事業見直しや地域の課題解決に向けた役割に焦点をあてた分析が行われているのです。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)