では、産学協働によるキャリア形成支援は具体的にどのような特徴を有しているのでしょうか。そこで、「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」による2020年度の報告書にて提示された4つのタイプについて振り返りつつ、2021年度の報告書で更に具体化された点を中心にみていきましょう。
産学協議会は、学生のキャリア形成支援活動を、個社・業界の情報提供・PRを目的とした【タイプ1】「オープン・カンパニー」、教育を目的とした【タイプ2】「キャリア教育」、しっかりとした就業体験を行うことを通じて学生にとっては自らの能力を見極めること、企業にとっては採用選考を視野に入れた評価材料を取得することを目的とした【タイプ3】「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」、しっかりとした就業体験を行うことを通じて、学生にとっては自らの専門性に関する実践力の向上を図ること、企業にとっては採用にあたっての評価材料を取得することを目的とした【タイプ4】「高度専門型インターンシップ」の4つのタイプに類型化しています。
各タイプの活動を通じて取得した学生情報を採用活動に活用することについては、タイプ1・2については活用不可で、タイプ3・4については、採用活動開始以降に限り活用可であるとしています。
上記のうちタイプ3の中身についてみると、学生の参加期間(所要日数)について、汎用的能力活用型では短期(5日間以上)、専門活用型では長期(2週間以上)とすることで就業体験は必ず行い、学生の参加期間の半分を超える日数を職場で就業体験とすることなどの基準が定められています。
上記のようなタイプ分けを念頭に産学協働によるキャリア形成支援が推進されるのです。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)