現在、世界は脱炭素に向けてさまざまな取り組みがなされています。なかでも、火力発電は多くのCO2を排出することから批判の対象となっています。そんな批判の的である火力発電ですが、アンモニアを活用することで、排出されるCO2を削減しようという試みが注目を集めています。

 火力発電のCO2は石炭などの化石燃料を燃やす過程で排出されます。アンモニアならば、石炭と異なり燃やしてもCO2を排出しない点が特徴です。そこで、火力発電の燃料を石炭からアンモニアに置き換えればCO2を排出せずに済むと考え、アンモニア発電が注目されるようになりました。

 もともと、肥料の原料として知られているアンモニアですが、CO2削減に貢献するという、これまでとは異なる価値が生まれています。

 アンモニア発電に関しては、東京電力や中部電力が出資するエネルギー企業のほか、IHIなどが発電の実証試験を始めています。アンモニア発電といっても、現在は石炭の一部をアンモニアに置き換えている段階です。実証試験では、2028年度までにアンモニアの割合を現状の2割から5割以上まで高められるよう取り組んでいます。その中、三菱重工業などは100%、アンモニアだけを燃やす発電設備を新たに開発しようとしています。

 ただ、アンモニア発電(石炭と混合)は現状と比べると2割程度、コストが上がるといわれています。中でも、石炭を用いずにアンモニアだけでの発電ですと、発電のコストは2倍以上に跳ね上がるという試算もあります。アンモニア発電を実用化するには、まずはアンモニアの生産から調達、発電、それぞれの工程でのコストダウンが必要となります。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)